みんなのために、気を利かせて、率先して「からあげにレモンを絞る」事はやってはいけない。その考え方を解説します。
どうして「みんなのために、気を利かせて、率先してからあげにレモンを絞る」という行動をとるのか?を考えると、高い確率で「からあげにはレモンをかけて食べたほうがおいしい」という考えを持っている人でしょう。それをみんなと共有して全員にハッピーな思いをしてほしくて率先して行動するのです。一般的にいうところの「いい人」そのものです。
しかし表現を厳しく変えてみますと、これは「自分の好みの押し付け」に他なりません。そのうえ「みんなのため」を前面に押し出して、誰にもことわらずにやるのです。「自分がおいしく感じるのだから、きっとみんなもそうなんだろう」「これが普通」と。これは明確にエゴです。
からあげレモンで検索すると、からあげにレモンをかけたらサクサク感が失われてしまう、そもそもからあげにレモンは合わない、柑橘類が嫌い、からあげには塩!など、様々な意見が出てきますが極論全部どうでもいい話で、婚活的に重要なのは「私はあなたを尊重しません」という行為そのものになってしまうという事です。味覚や食の楽しみ方の問題ではなく、コミュニケーションの問題が本質だという事です。
この話の厄介なところは、やっている側が「相手に気を使っている」認識で行動している事です。上述の通り、やっている事は『エゴ』そのものですが、やる側の意識として「みんなのために率先してやっている、親切」な訳ですから、受け入れてもらえないと傷つくわけです。受ける側としては、相手を傷つけるか、自分が我慢するかの二択を迫られるような感じです。ポジティブな筈がなく、結果、足切りにあってしまうという事です。
気遣いの考え方がちょっとずれていると思います。自分がおいしいと感じる食べ方がある事は普通であり、特別に悪い事ではありません。頼んでもいないのに皿にレモンが添えられている点を考慮すれば、むしろ一般的な感覚ですらあるでしょう。それを相手と共有したいという気持ちを持つことはポジティブです。しかし、強制してはいけません。具体的行動に移る前のコミュニケーションが抜けています。というか、ここは自然に対話できるチャンスです。
「自分はからあげにレモン絞って食べるのがおいしいと思いますがあなたはどう思いますか?」
この一言があるだけで。
・自分の好みを相手に伝えることが出来る
・相手の好みを知ることが出来る
・明確に相手を尊重している事を伝えられる
これだけのメリットがあります。このやり取りがあるだけでみんなハッピーになります。この認識の上で逆に考えると自然にからあげにレモンを絞る行動をとってしまう人が何故受け入れられないのかが理解できるはずです。率先してやるにしても、別皿に絞る等、ほかのやり方が見えてくるはずです。多様性を理解する事は重要です。
からあげレモンは一例です。他にも類似事例は山ほどありますが、ポイントになるのはただ一つ。相手を尊重する事。「おもいやり」です。